エキゾチックで大きな葉っぱに、不規則に入ったお洒落な切れ込み。リビングにひとつ置くだけで、お部屋をグッと洗練された南国のリゾートのような雰囲気にしてくれる「モンステラ」は、インテリアグリーンの主役として不動の人気を誇る観葉植物です。
そんなモンステラを大切に育てていると、「いつの間にか茎がぐんぐん伸びて、全体のバランスが崩れてしまった……」「ひょろひょろと自立できなくなってきたから、コンパクトに仕立て直したいな」という時期がやってきます。また、「お気に入りのモンステラを増やして、寝室やキッチンにもまったり飾りたい!」と思うこともありますよね。
植物の株を増やすと聞くと、「園芸の専門的な知識が必要なんじゃないの?」「失敗して元の株まで枯らしちゃったらどうしよう……」と、ハサミを入れるのに勇気が出ない初心者さんも多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。実はモンステラは、観葉植物の中でもトップクラスに生命力が強く、「増やすのがとっても簡単な植物」なんです。
今回は、お部屋を汚さずに初心者でもまったり確実に成功できる2大テクニック「水挿し(みずさし)」と「茎伏せ(くきふせ)」の手順を、どこよりも分かりやすく解説します。ポイントさえ押さえれば、驚くほど簡単に可愛いミニモンステラが誕生しますよ!
1. 【はじめに】ひと株からどんどん広がる!モンステラをまったり増やす楽しさ

モンステラを自分の手で増やす一番の楽しさは、なんといっても「植物の圧倒的な生命力を、手のひらの上で実感できること」にあります。
一見するとただの固い茎や、切り落とされた1枚の葉っぱにしか見えないものが、正しい手順でお世話をしてあげることで、数週間後には白くて元気な根っこをニョキニョキと伸ばし、やがて小さくて瑞々しい新芽を顔のぞかせます。毎朝、「今日は根っこが少し伸びたかな?」「あ、新しい芽の赤ちゃんが見えてきた!」と、お部屋の中でまったり観察する時間は、日々の暮らしにささやかな癒やしとワクワクを届けてくれます。
しかも、モンステラは環境さえ整っていれば、ひとつの親株から何株もの子株を切り分けることができます。
自分で増やした小さなモンステラを、お洒落なガラス瓶や小さめの白い陶器鉢に植えて、キッチンのカウンターやデスクの脇、ベッドサイドなどにまったり配置すれば、お家の中がどんどんお気に入りのグリーンオアシスに早変わり。お友達が遊びにきたときに、「これ、お家で増やしたモンステラなんだ。よかったら1つつけてあげるね」なんてプレゼントするのも、とっても素敵ですよね。
まずは肩の力を抜いて、「ちょっと実験してみようかな」くらいののんびりした気持ちで、モンステラの不思議なパワーを体感してみましょう。
ハサミを入れる前に知りたい「気根(きこん)」と「節(ふし)」の秘密

モンステラの増やし方において、成功するか失敗するかの9割は、ハサミを入れる「カットする位置」で決まります。ここさえ間違えなければ、初心者さんでも100%に近い確率で成功させることができます。
ハサミを持つ前に、まずはあなたのモンステラをじっくり観察して、2つの重要なパーツを見つけてみましょう。
- ① 節(ふし) 茎をよく見ると、竹の節のように少しぷっくりと膨らんだ、横線が入っている部分があります。これが「節(ふし)」です。モンステラの新しい根っこや新しい芽は、必ずこの「節」の周辺からしか生えてきません。つまり、節が全く入っていないツルツルとした茎の部分だけをいくら水に挿しておいても、絶対に根っこは出ずにそのまま腐ってしまうのです。
- ② 気根(きこん) 節の近くから、茶色くて固い、まるでゴボウのような紐状のものがニョキッと外に向かって伸びていませんか?これが「気根(きこん)」と呼ばれる、モンステラ特有の空中に出る根っこです。自生しているモンステラは、この気根を周りの木や岩に巻き付けて体を支え、空気中の水分を吸っています。
ハサミを入れる位置の鉄則は、「節と気根(または気根の赤ちゃんのようなポチッとした突起)を必ず1セット以上含めて、その少し下をカットする」ことです。
すでに伸びている茶色い気根は、長く伸びすぎていれば途中で短くハサミで切ってしまっても問題ありません。カットした茎に「節」と「気根の付け根」がしっかり残っていれば、それが水や土に触れたときに、今度は通常の白いふさふさとした根っこ(水生根・土生根)へとまったり変身してくれるのです。ハサミを入れるときは、切れ味の良い清潔なハサミを使い、切り口を潰さないようにスパッと一太刀で切ってあげてくださいね。
モンステラが一番元気に根っこを出す「増やす季節」
モンステラを増やすためのカット位置が分かったら、次に意識したいのが「作業を行う季節(タイミング)」です。
いくらタフなモンステラであっても、人間と同じように、季節によって元気な時期と体力が落ちる時期があります。モンステラを増やすベストシーズンは、ずばり「春から初夏にかけて(5月〜7月頃)」です。
この時期のモンステラは、気温の上昇とともに最も活発に成長する「成長期」の真っただ中。株全体の代謝がとても高くなっているため、茎を切られてもすぐに切り口を修復し、驚くほどのスピードで新しい根っこや新芽を伸ばしてくれます。この時期に作業をすれば、初心者さんでも失敗のリスクを最小限に抑え、まったりと安心して成長を見守ることができます。
逆に、絶対に避けたほうがいいのは「冬の寒い時期」です。
熱帯育ちのモンステラは寒さが苦手で、冬の間は成長をピタッと止めて眠りにつく「休眠期(きゅうみんき)」に入ります。この時期に茎を切ってしまうと、根を出すエネルギーが足りず、それどころか切り口から菌が入ってブヨブヨに腐ってしまう原因になります。もし、秋や冬に「モンステラが伸びすぎてどうしても気になる!」という場合でも、そこはグッとこらえて、暖かくなる春までまったり待ってあげるのが優しさですよ。
手順①:お手軽で可愛い「水挿し(みずさし)」のステップ
ここからは、具体的な2つの増やし方の手順を解説します。 まず1つ目は、最も手軽でインテリアとしても最高に可愛い「水挿し(みずさし)」です。土を使わないためお部屋を汚さず、キッチンやデスクの上で手軽にスタートできます。
【水挿しのステップ】
- ステップ1:茎をカットする 先ほどご紹介したルール通り、「節」と「気根」がついている部分を確認し、清潔なハサミでスパッと切り取ります。葉っぱは1〜2枚残しておけば十分です。あまり葉っぱが多すぎると、根っこがない状態の茎から水分がどんどん蒸発して疲れてしまうので、大きな葉がある場合は思い切ってカットしましょう。
- ステップ2:お好みのガラス瓶に水を張って挿す 透明なガラス瓶やグラスに、切り取ったモンステラの茎をコトッと差し込みます。お水の量は、カットした「節」と「気根」がしっかりと水に浸かるくらいの深さがあればOKです。
- ステップ3:明るい日陰で見守る 直射日光が当たらない、お部屋の風通しの良い明るい場所にガラス瓶を置きます。直射日光に当てると、瓶の中の水温が上がりすぎて茎が煮えてしまったり、藻が湧きやすくなるので注意してください。
- お手入れのコツ: お世話は、2〜3日に1回(夏場はできれば毎日)、瓶の水をまったり新鮮なものに替えてあげるだけ。1〜2週間ほど経つと、茶色い気根の先や節の周りから、生命力あふれる白いみずみずしい根っこがニョキニョキと伸びてきます。ガラス越しに根っこが育つ様子が丸見えなので、毎日眺めるのが本当に楽しくなりますよ。
手順②:茎のパワーを信じる「茎伏せ(くきふせ)」のステップ
2つ目の方法は、葉っぱがついていない「ただの茎の切れ端」を使って増やす「茎伏せ(くきふせ)」という、ちょっとユニークなテクニックです。 仕立て直しをして葉っぱを全部落としてしまった残りの茎や、ひょろひょろに伸びすぎた茎を有効活用するのに最適な方法です。
【茎伏せのステップ】
- ステップ1:茎を「ひと節」ごとに切り分ける 葉っぱのない丸裸の茎を、「節」と「気根(または気根のポチ)」が必ず1つのパーツに1つ以上入るように、5〜6センチ程度の長さに細かくブツ切りにします。まるで短い丸太のような可愛いお団子がいくつか出来上がります。
- ステップ2:床(ベッド)を用意する 浅めのプラスチック容器やトレーに、よく湿らせた「水苔(みずごけ)」、または観葉植物用の「清潔な赤玉土(小粒)」を敷き詰めます。おすすめは保水性が高くて扱いやすい水苔です。
- ステップ3:茎をコロンと横向きに置く 切り分けた茎を、水苔の上に横向きに優しくコロンと寝かせます。このとき、気根が出ている側(または出そうな側)を下に向けて、水苔に少しだけキュッと埋め込むように押し当ててあげるのがポイントです。
- お手入れのコツ: その後は、水苔がカラカラに乾かないように、霧吹きでまったり定期的にお水をシュッシュと吹きかけ、優しく湿った状態をキープします。置き場所は水挿しと同じく、直射日光の当たらない暖かい場所。しばらくすると、湿った水苔に向かって気根がしっかりと根を張り始め、やがて節のすぐ上にある「成長点」と呼ばれる小さなポチから、緑色の可愛い新芽がツンと上を向いて立ち上がってきます。葉っぱがないところから新しい命が生まれる姿は、まるで魔法のようで感動的ですよ。
【まとめ】
今回は、初心者さんでもお部屋の中でまったり確実に成功できる、モンステラの増やし方のコツをお届けしました。
おさらいすると、一番大切なのは「5月〜7月の暖かい成長期に、節と気根をセットにしてハサミを入れること」。これさえ守れば、透明なガラス瓶でまったり根っこを育てる「水挿し」でも、丸太のような茎から新芽を待つ「茎伏せ」でも、モンステラは豊かな生命力で必ず応えてくれます。
水挿しや茎伏せで白い根っこがしっかりと数センチ以上伸び、小さな葉っぱが展開してきたら、いよいよお気に入りのプランターに土を詰めて、小さな「大人の株」としてお引越し(鉢植え)させてあげるタイミングです。
自分でハサミを入れ、毎日お水を替えて、ゼロから根っこや新芽を育て上げたミニモンステラには、お店で買ってきたものとは比べものにならないほどの愛着がわくものです。
「大きくなりすぎてどうしよう」と悩んでいたモンステラが、仕立て直しを通じて、お部屋のあちこちを彩る可愛い子株たちに生まれ変わる。そんな植物とののんびり心地よい対話を楽しみながら、あなただけの手作りのグリーンライフをまったりと深めていってくださいね。





コメント