夏から秋にかけて、園芸店やホームセンターの店頭でひときわ目を引く、カラフルでポップな植物を見かけたことはありませんか? まるで小さなキャンディやチョコレートが株いっぱいに散りばめられているかのような、愛らしい実をつける植物――それが今回ご紹介する「観賞用トウガラシ(カラーペッパー)」です。
お庭やベランダの花壇を彩るイメージが強い観賞用トウガラシですが、実はポイントさえ押さえれば、冷房の効いた快適なお部屋の窓辺(室内)でまったりと育てることも十分に可能なんです。
赤、黄、オレンジ、紫と、季節の移り変わりとともに実の色をコロコロと変えていく姿は、見ているだけで毎日の暮らしに元気とワクワクを届けてくれますよ。
今回は、お部屋の中にポップな秋を先取りできる、室内での観賞用トウガラシのまったり上手な育て方とお手入れのコツをたっぷり解説します!
室内栽培の鉄則!パキッと色づくために必要な「窓際の日当たり」

観賞用トウガラシを室内で元気に、そして実の色をパキッと鮮やかに色づかせるために、これだけは絶対に譲れない鉄則があります。それが「窓際の一等地(日当たり)」に置いてあげることです。
トウガラシの仲間は、とにかく太陽の光がエネルギーの源。お日様の光を浴びれば浴びるほど、株ががっしりと丈夫に育ち、実の色も驚くほど鮮やかになります。
室内で育てる場合、最も適している置き場所は、「南向きや東向きの、ガラス窓越しに直射日光がたっぷりと当たる場所」です。 多くの観葉植物やデリケートな多肉植物は、夏の強い日差しに当たると「葉焼け」を起こしてしまうためレースのカーテン越しを推奨しますが、観賞用トウガラシに関しては、むしろガラス越しのダイレクトな光を当ててあげたほうが大喜びします。
もし、日当たりの悪い部屋の奥の方にずっと置いておくと、新しくついた実が綺麗に色づかずに色あせてしまったり、ポロポロと落ちてしまったりすることがあります。 お部屋の中で一番お日様の光が差し込む窓際の特等席を、ぜひトウガラシのために用意してあげてくださいね。
お部屋の乾燥に気をつけて!実をツヤツヤに保つ「まったり水やりルーティン」
お日様が大好きな観賞用トウガラシですが、実はもうひとつ、健康を維持するためにとても重要なポイントがあります。それが「水が大好き」という性質です。
サボテンや多肉植物のように「土が乾いてから数日待って水やり」というペースでお世話をしていると、トウガラシはあっという間に水切れを起こしてしまいます。特に、たくさんの実をぶら下げている時期のトウガラシは、お水を吸い上げる力が非常に旺盛です。
室内での水やりルーティンの基本は、「土の表面が乾いたら、鉢底からお水が流れ出るまでたっぷりとあげる」ことです。
土が乾いているかどうかは、指で直接土を触ってみたり、鉢を持ち上げて軽くなっているかで確かめましょう。水切れを起こすと、ツヤツヤだった実がキュッとシワシワになってんしまったり、元気な葉っぱが下を向いてクタッとうなだれてしまいます。 万が一クタッとなってしまっても、すぐに気付いてお水をたっぷりあげれば、数時間でシャキッと元通りに復活してくれることが多いですが、何度も水切れを繰り返すと株が弱って実が落ちてしまうため注意が必要です。
また、室内栽培でありがちなのが、エアコンの風によって鉢の土が想像以上のスピードで乾燥してしまうこと。毎朝、淹れたてのコーヒーを飲むついでに「今日の土の乾き具合はどうかな?」と、まったりチェックしてあげるのが、実をツヤツヤに保つ一番の秘訣です。
気になる素朴な疑問。「観賞用トウガラシって、実は食べられるの?」

観賞用トウガラシを育てていると、お家に遊びにきた友人や、家族から高確率で聞かれる定番の質問があります。 「これってトウガラシだし、料理に使ったりして食べられるの?」という疑問です。
結論からお伝えすると、「毒はないけれど、食べるのは絶対に基本的におすすめしません」。
その理由は大きく分けて2つあります。 1つ目は、「実が信じられないほど激辛で、旨味がなく美味しくない」からです。観賞用トウガラシは、あくまで「見た目の美しさや可愛らしさ」を追求して品種改良されたもの。食用トウガラシのようなピリッとした心地よい辛味や風味はなく、ただただ舌が痛くなるような野生的な激辛さを持っています。
2つ目は、「栽培の過程で、口に入れることを想定していない薬剤(殺虫剤など)が使われている可能性がある」からです。園芸店でお花として売られている苗は、食べるための野菜としての厳しい基準ではなく、お花を綺麗に保つための基準で管理されています。そのため、安全面を考えても口にするのは避けるべきです。
「どうしてもトウガラシを収穫して食べたい!」という場合は、最初から野菜コーナーで売られている「タカノツメ」や「シシトウ」の苗をお迎えしましょう。 観賞用トウガラシは、あくまでもお部屋を彩る「目のおやつ」として、鑑賞することに全力を注いでまったり楽しんでくださいね。
紫から黄色、そして赤へ!色の移り変わりをまったり長く楽しむためのお手入れ
観賞用トウガラシの実を、夏から秋の終わりまでできるだけ長く、綺麗な状態で楽しむためには、ちょっとした「お利口なお手入れ」が効果的です。
トウガラシの実は、いつまでも株につけたままにしておくと、最終的には乾燥してシワシワになり、種を作ってその一生を終えようとします。植物が「種作り」にエネルギーを使い果たしてしまうと、新しい花が咲かなくなり、次に色づくための新しい実がつかなくなってしまうのです。
そこで試してほしいのが、「完全に熟して赤くなった古い実を、ハサミでプチッと摘み取るお手入れ」です。
グラデーションを楽しんだあと、全体がすっかり鮮やかな赤色になり、少しツヤがなくなってきたなと感じる実があれば、茎の付け根からハサミでカットしてあげましょう。 こうして古い実を間引いてあげることで、株に余力が生まれ、夏から秋にかけて新しいお花が次々に咲き、そこからまた新しい元気な実がポンポンと実ってくれます。このサイクルを繰り返すことで、常にフレッシュでカラフルなグラデーションをお部屋の中でキープすることができるのです。
収穫した赤くて綺麗な実は、小さなガラス瓶に詰めてお部屋の可愛いインテリアとして飾ったり、乾燥させて麻紐で縛り、キッチンに吊るす小さなスワッグ風の飾りにリメイクするのもとってもお洒落。摘み取った後までまったり楽しめるのも、トウガラシ栽培の嬉しいおまけですね。
【まとめ】
今回は、エアコンの効いた室内で夏から秋までまったり長く楽しめる、観賞用トウガラシの室内栽培のコツをお届けしました。
おさらいすると、お部屋の中で元気に育てるポイントは、「エアコンの風が当たらない、一番日当たりの良い窓際に置くこと」、そして「土が乾いたらお水をたっぷりとあげること」の2つだけです。
うだるような夏の暑さの中、窓辺に並ぶポップでカラフルな実の姿は、私たちの目を楽しませ、毎日の暮らしに元気なパワーを分けてくれます。そして季節が移り変わり、風が涼しくなる頃には、その実は深みのある秋の色彩へと変化し、お部屋の中に優しい秋の訪れを告げてくれます。
お部屋にいながら、植物を通じて季節の移り変わりをのんびりと五感で感じる。そんな贅沢でまったりとした時間を、ぜひ小さな観賞用トウガラシと一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか。





コメント